夏 白くかわいたコンクリート 陽炎が空へと上って行く 青く澄み渡る自由な空 その果てには掴めぬ未来が広がり 見上げ続ける僕へと君が声をかける 振り向いてもすぐには見えない君の顔 その瞬間 僕は何を思う 敵視する鋭い太陽 砂浜さえも僕を試す 広がる水平線には希望が輝き 隣には自分の今がある 繋いだ君の手は雪のよう 振り向けば君は下を向き それでも繋いだ手はそのままで 濃く生い茂った草原 反射した陽の光が漣のよう 佇む森は穏かな闇を抱き その奥にはかつての自分がいて 泣きそうになる僕へと君が触れる 振り向かなくてもわかる君の顔 その瞬間 僕は…… 光が踊る黒いカンバス 周りをほのかに照らし出す 見上げる君の顔を見つめては 思考が止まって時間が逃げ出す 互いの距離がなくなる瞬間 光がそっぽを向いたその隙に そっと君へとキスをする