雨 気分が沈んでいる 外は雨が降っているらしい シャッターは降りたままで 音だけが聞こえる こういうときの雨は悪くない まるで世界が自分の気持ちを理解してくれているような そんなふうに思えるから 否定されていない そう思えるだけで十分な気がした 不安は止めどなく流れ込んでくる 日常も未来も そして結果の出ていない過去からも 何もかもが不安にさせる 嫌悪感と孤独の中で ただの傍観者でいたかったのだと 自分でなくてもよかったのだと 悪魔のような現実に 声もなく叫んでいた 自分で自分の存在を否定する 心がその痛みに慣れてしまえばいいのにと 何も感じなくなってしまえばいいのにと 自分の弱さに苦笑しながら 僕はゆっくりと瞼を閉じた その時 頬を流れ落ちた雨は 思いの外あたたかかった