侵略 それは音も無く密かに進行する 微かな違和感さえ 気付けば自分の思考となって 一人から二人へ 二人から三人へ 複製され媒介し そのものに意志はなく 形もなく曖昧で それゆえに気付かれることなく ただ伝染し拡大を継続する 決して停滞しても停止することはなく そうであるが故に存在は儚く だが確実に在り続ける 境界のすぐそこで 今もじっとこちらを見ている