万華鏡 沈黙はここまでにしよう 継ぎ接ぎだらけの記憶から 新たな旋律を奏でよう 誰かが描いた感情を みんなが抱いた想像を 一欠片ずつ選び取って 空のカンバスに鏤めよう 煌めく光と深遠なる闇 繰り返される輪舞 その軌跡が産み出す可能性 儚くも美しい虚空の幻想を 形ある現へと堕とそう 輝きが損なわれてしまわぬように 暗き底が見透かされてしまわぬように 少しずつ輪郭を浮かび上がらせ ゆっくりと掬い取ろう そこにあるのは 光を湛えた小さな夜空 熱を帯びた早朝の吐息 確かに息づく命の記憶 それは形を変えて伝播する世界